検査内容

検査結果を正しく生かすために

検査後の支援を見据えたフィードバックをしてくれる検査機関を選びましょう

下位検査の結果や行動観察で見られた内容は、実際に検査を取った検査者でなければ扱えない情報を含むため、他機関で受けた報告書をもとに詳細な支援方法を導くには限界があります。
また、検査の期間は1~2年空けることが必要ですので、その期間に適切な支援・指導を受けられるようにするためにも、検査の解釈についてしっかりとアドバイスしてくれる検査機関を選ぶことが大切です。

数値だけでなく、解釈から得られる情報に目を向けましょう

正しく検査をして解釈をすることは、専門家にとっても大変難しいものです。あくまでも検査結果は、受検する人がみな同じ条件でマニュアル通りに行ったときに同年代と比較して数値化した情報と、事前の発達相談でお伺いした日常の背景情報も含め、総合的に解釈するものです。解釈に疑問があるときは、遠慮なく検査者に質問を投げかけましょう。

短所改善型でなく、長所活用型で応援していきましょう

検査結果を知ると「子どもの苦手をなくしたい」という願いが強くなるのは保護者さまとしては自然なことです。しかし、お子さまの支援は、ご本人の意欲や自信につながる支援が最優先です。強いところや得意なやり方で課題を解決できるようサポートするなど、「長所活用型」で考えることがとても大切です。検査結果からわかった「長所」について、ご家庭や学校でも話し合っていきましょう。

1.日本版K-ABCⅡ(ケイエービーシーツー)

検査の特長
  • 2歳6ヶ月から18歳11ヶ月を対象とした、お子さまが持っている力を把握するために用いられる知能検査で、WISCと並ぶ代表的な知能検査の一つです。
  • お子さまの「新しい場面で問題を解決する力」と「これまで身につけてきた知識や技能(語彙の量や持っている言葉の知識、読み書き、数を扱う力や算数の問題を解く力など)」を比較できるほか、お子さまの中での得意な面・不得意な面・未習得な事柄などをみることができます。
  • 約20ある検査は、大きく二つ「認知総合尺度」と「習得総合尺度」に分かれています。さらにそれぞれが4つの尺度ごとに分かれています。(年齢に応じて実施する数や必要な時間が異なります)
認知総合尺度からわかること
認知総合尺度総合的な認知能力の指標
ウェクスラー式知能検査の全検査IQにあたる
継次尺度提示された情報を1つずつ、順番に、時間軸に沿って処理する能力
同時尺度提示された複数の視覚情報を、全体的・空間的に処理する能力
計画尺度提示された問題を解決するための方略決定や、課題遂行のフィードバックに関する能力
学習尺度新たな情報を効率的に学習し、保持する能力

習得総合尺度かわらかること

習得総合尺度認知処理を活用して獲得した知識や基礎学力を総合したもので、習得度の水準を示す指標
語彙尺度現在獲得している語彙の量や、意味理解等についての習得度
読み尺度学習指導要領に基づく、文字の読みや文章理解に関する習得度
書き尺度学習指導要領に基づく、書字や作文に関する習得度
算数尺度学習指導要領に基づく、計算スキルや文章問題の解決に関する習得度
検査結果の活かし方
  • 認知発達のアンバランスさを見ることで、学習のつまずきの背景を知ることができます。
  • お子さまの認知処理スタイルが「継次処理」と「同時処理」のどちらが得意か見極めることができ、それに合った学習方法を見つけることができます。
  • お子さまの認知処理スタイルに適した親子の関わりかたを知ることができます。
  • 近い時期にWISC-ⅣまたはWISC-Ⅴを受けているお子さまの場合は、K-ABCⅡの習得尺度のみ実施することで認知面と習得面のバランスを見ることが可能となります。
費用
全検査(90分~120分)30,000
認知尺度のみ(60分~90分)25,000
習得尺度のみ(60分)20,000
  • 料金は税抜価格となります。
  • お支払いは事前振込となります。振込手数料はご負担ください。
  • 平日17時30分以降または土曜日のご利用につきましては10%、土曜日17時30分以降と日曜日・祝日のご利用につきましては15%の追加料金が発生します。
  • 検査日を含む3日前以降のキャンセルはできません。その場合、全額検査費用をお支払いいただきます。
  • お子さまの拒否が強く、検査を続けることが適切ではない場合がございます。その場合、返金対応はいたしかねます。

2.日本版Vineland-Ⅱ適応行動尺度(ヴァインランドツー)

検査の特長
  • 「適応行動」とは「個人的、社会的な日常生活の能力」のことで、社会的に適応した行動がどれくらいとれているかについて評価する検査です。
  • 適用年齢は0歳0ヶ月~92歳11ヶ月と幅広く、ご本人を良く知る方(保護者さまなど)にインタビュー形式で行います。実施時間は1時間程度です。
  • 4つの適応行動(コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキル)と1つの不適応行動について評価します。
  • 社会的にどの程度適応的に行動できているのかを把握することができ、近年は知能だけではなく、この「適応行動」も含めて評価することが大切だと言われています。
認知総合尺度からわかること
  • コミュニケーション…受容言語/表出言語/読み書き
  • 日常生活スキル…身辺自立/家事/地域生活
  • 社会性…対人関係/遊びと余暇/コーピングスキル
  • 運動スキル…粗大運動/微細運動
不適応行動評価からわかること
  • 不適応行動…不適応行動指標/不適応行動重要事項
検査結果の活かし方
  • 普段の行動を評価することで、お子さまが生活の中で困っていることが分かり、ご本人の生活に合わせた支援としてどのようなサポートが必要であるかを明らかにすることができます。
費用
90分のフィードバック・報告書作成込み25,000
  • 料金は税抜価格となります。
  • お支払いは事前振込となります。振込手数料はご負担ください。
  • 平日17時30分以降または土曜日のご利用につきましては10%、土曜日17時30分以降と日曜日・祝日のご利用につきましては15%の追加料金が発生します。
  • 検査日を含む3日前以降のキャンセルはできません。その場合、全額検査費用をお支払いいただきます。

3.SP感覚プロファイル

検査の特長
  • 感覚の特徴(過敏さや鈍感さ)について、感覚処理(聴覚、視覚、前庭覚、触覚、複合感覚、口腔感覚)、調整、行動や情動反応を包括的に把握する検査。
  • 適用年齢は3歳~82歳。ご本人を良く知る方(保護者さまなど)が質問票に回答するかたちでおこないます。
  • ご本人にしか分からない感覚処理の問題を客観的にとらえることができます。
  • 判定は「象限」「セクション」「因子」に分けられ、主に象限によってご本人の感覚の特徴を把握し、セクションや因子でより詳しく分析することでどのような場面でどのような行動が起こりやすいかを明らかにすることが可能です。
象限
  • 低登録…感覚刺激(音や手ざわり、においなど)に気づきにくく、反応が遅れる状態。
  • 感覚探求…自分を安定させるために特定の感覚を求める状態。
  • 感覚過敏…一定以上の感覚刺激に耐えられず苦痛を感じる状態。
  • 感覚回避…苦手な感覚刺激に対して過剰な拒否反応を起こす状態。

それぞれの象限は「標準的」「高い」「非常に高い」の3段階で評価されます。

標準的平均的範囲に相当
高い上位約2~16%の範囲に相当
かなり高い上位約2%超の範囲に相当
検査結果の活かし方
  • 感覚の違いによって困っているお子さまは大変多く、ご本人のつらさが理解されないまま甘えやわがままと受け止められ、社会適応が難しくなっている例は少なくありません。SP感覚プロファイルを活用してお子さまの感覚特性をアセスメントすることで、お子さまに必要な支援や合理的配慮について明らかにすることが可能となります。
費用
90分のフィードバック・報告書作成込み15,000
  • 料金は税抜価格となります。
  • お支払いは事前振込となります。振込手数料はご負担ください。
  • 平日17時30分以降または土曜日のご利用につきましては10%、土曜日17時30分以降と日曜日・祝日のご利用につきましては15%の追加料金が発生します。
  • 検査日を含む3日前以降のキャンセルはできません。その場合、全額検査費用をお支払いいただきます。

4.就労アセスメントツールBWAP2(ビーワップ・ツー)

検査の特長
  • 仕事の習慣・態度、対人関係、認知能力、仕事の遂行能力の4領域から職場適応尺度を図る検査。ハードスキル(作業能力)だけでなく、ソフトスキル(日常生活やコミュニケーション、対人関係などにおける能力)を把握することができます。
  • 主な対象年齢は12歳から成人まで。仕事をしている状況を行動観察したり、家庭などの生活状況を聞き取ったりしながら5段階で評価します。
  • 評価結果は点数化し、4つの就労スキルを合わせた「総合的職場適応能力(BWA)」を算出することができます。
BWAP2で評価する項目
  • 仕事の習慣・態度…「勤怠状況」「時間順守」「衛生管理」「意欲」「仕事中の姿勢」を評価する10項目を設定
  • 対人関係…「社会的関わり」「情緒の安定」「協調性」の3つの分野を評価する12項目を設定
  • 認知能力…「推論」「判断」「知覚」「思考」「認識」の知的なスキルを評価する19項目を設定
  • 仕事の遂行能力…「粗大および微細運動」「コミュニケーション」「仕事の責任」「作業効率」の4つの分野を評価する22項目を設定

これらの評価結果から、それぞれの項目における「ワークプレイスメント(現在の職業能力レベル)「ワークサポート(職場での支援)」を判定。

【ワークプレイスメント】

一般就労レベル
就労移行レベル
福祉就労(高)レベル
福祉就労(低)レベル
作業所レベル
デイケア(生活介護)レベル

【ワークサポート】

わずか(支援はほとんど必要なし)
低(支援は少なめ)
中(支援はある程度必要)
高(支援は多め)
日常的(常に支援が必要)

検査結果の活かし方
  • 高校生や大学生になり、その後の就労を考えたときに活用できる、数少ないアセスメントツールの一つです。仕事ができるというハードスキルだけではなく、就労の前段階である基本的なライフスキル(生活能力)がどのレベルで獲得されているかを把握できるため、自立した生活を営む上での課題を明らかにし、具体的な支援方法を検討することが可能となります。
費用
90分のフィードバック・報告書作成込み15,000
  • 料金は税抜価格となります。
  • お支払いは事前振込となります。振込手数料はご負担ください。
  • 平日17時30分以降または土曜日のご利用につきましては10%、土曜日17時30分以降と日曜日・祝日のご利用につきましては15%の追加料金が発生します。
  • 検査日を含む3日前以降のキャンセルはできません。その場合、全額検査費用をお支払いいただきます。

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